弊社ではPythonプログラムをリモートサーバーで実行するのに「さくらのVPS」と「ConoHa VPS」の両方を以下のように利用しています。
弊社で利用しているVPSサービス
サービス名 | 利用している課金方法 | Pythonプログラムの実行方法 |
---|---|---|
さくらのVPS | 年間 | 定時実行(スクレイピング、API、通知など) |
ConoHa VPS | 時間 | 数日間の連続実行(大量のデータ処理など) |
さくらのVPSは、全般に管理がしやすいので常用のPython用サーバーにしています。常時1台以上を契約し、スクレイピングなどのプログラムを定時実行するのに利用しています。
ConoHa VPSは、時間課金が可能なので、大量のデータ処理などを行うときにクラウド感覚で数日間のスポットで利用しています。
どちらも人気のVPSサービスですが、それぞれ特長やセールスポイントが異なるので、どちらか一方に限定するのではなく、いいとこ取りしながら両方をうまく併用するのが得策と考えています。
そこで、今回はそれぞれどのような特長があるのか、弊社が実際に利用している経験をもとにまとめてみました。VPSの利用を検討するときの参考にしていただけたらと思います。
本記事の目次
さくらのVPSの特長は「サーバー管理のしやすさ」
さくらのVPSやConoHa VPSは、仮想の「専用サーバー」を使えるようにしてくれるサービスです。一般的なレンタルサーバーとは異なり、サーバーの管理は自分で行う必要があります。
サーバーの管理は、稼働させるシステムによりますが、全般に手間がかかります。そのため、VPSサービスの方で、サーバー管理がしやすい工夫や配慮がされていると非常に助かります。
さくらのVPSは、以下の3つのポイントのおかげでサーバー管理がしやすいサービスになっています。弊社がPython用サーバーに常用している理由でもあります。
さくらのVPSの3つのポイント
- コントロールパネルの使いやすさ
- サーバー監視
- 障害情報のきめ細かさ
コントロールパネルの使いやすさ
VPSサービスでは、Webブラウザに表示したコントロールパネルを用いて、サーバーの初期設定や変更を行います。そのため、コントロールパネルの動作が非常に重かったり、設定方法がわかりづらいと効率が悪いだけでなく、操作ミスにもつながります。
さくらのVPSのコントロールパネルは、軽快にサクサク動き、設定もしやすいのが特長です。以下のように画面もシンプルでわかりやすいです。
また、初期設定の手間が省けるように様々な工夫がされているのも特長です。最初からrootとしてログインできないようにしてくれていたり、以下のようにSSHポート番号やログインユーザー名を変更できたりするので、Pythonプログラムを実行するだけのサーバーならすぐに構築できます。
サーバー監視
サーバーが何らかの原因で停止(ダウン)した場合に憂慮されるのは「停止したことに気づかないままにしてしまう」ことです。
その結果、定時に予定していたプログラムが実行されないなどの支障が生じます。自動スクレイピングでは、目的の日時のデータを取得し損ねることになります。
さくらのVPSでは、サーバーが動いているかを一定間隔で監視してくれるサービスを標準で利用できます。サーバーの停止(ダウン)を検知したときは、メールやslackに通知できます。
以下のように監視方式、チェック間隔、通知先などを細かく自分で設定できるので、実行するプログラムに適当なサーバー監視を行うことができます。
障害情報のきめ細かさ
VPSサービス側で障害が発生してしまった場合は、自分のサーバーに影響があったのかを把握できないと困ります。
さくらのVPSの障害情報は、発生日時、影響範囲(IPアドレス)、障害内容、復旧日時を掲載してくれているので、自分のサーバーへの影響を把握できます。
また、以下のように過去の障害情報も調べることができるので、毎日の自動スクレイピングでデータが取得できていない場合に「プログラムのバグなのか、サーバーの障害なのか、他の原因なのか」を調査するのに有力な材料にもなります。
さくらのVPSの公式サイト
さくらのVPSを使ってみたいという方は、ぜひ以下のリンクで公式サイトをチェックしてみてください。さくらのVPSは2週間のお試し期間もあるので、まず試してることもできます。
ConoHa VPSの特長は「時間課金などの使い勝手のよさ」
ConoHa VPSの特長は、なんといっても「時間課金」で使えることです。数日〜1ヶ月の短期で追加のマシンが必要になった場合は、ConoHa VPSを利用しています。さくらのVPSは最低利用期間が「3ヶ月」なので、このような短期の利用には向いていません。
さらに「プリペイド支払い」「スケールダウン可能」を加えた以下の3つのポイントにより、必要なときに必要な分だけ利用できる使い勝手のよいサービスになっています。
ConoHa VPSの3つのポイント
- 時間課金が可能
- プリペイド支払い(ConoHaチャージ)を選べる
- スケールダウンが可能
上記のポイントについては、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
ConoHa VPSの公式サイト
ConoHa VPSを使ってみたいという方は、ぜひ以下のリンクで公式サイトをチェックしてみてください。最初は、ConoHaチャージに少額を入金して、時間課金で試してみるのがおすすめです。
最後に
以前はサーバーと言えば「本物のサーバーマシン」が必要になったので、初期費用が高額であり、余程の案件がなければ手を出せませんでした。しかし、現在は「VPS(仮想専用サーバー)」があるおかげで、気軽に利用できるようになりました。VPSを提供するサービスも充実しています。
高嶺の花であったサーバーがこれだけ身近になったのですから、Pythonによる自動化にも活用してみてはいかがでしょうか。サーバーでPythonを動かすとプログラムの実行も自動化できるので、さらに自動化のメリットを感じると思います。くわしくはぜひ以下の記事をご覧ください。