プログラミングの学習を始める動機は様々です。退屈な仕事を自動化したい、ゲームを作りたい、AIを動かせるようになりたい、自分のトレード理論をプログラミングしたいなど、目標がはっきりしている場合もありますが、何となく始めてみたいという動機もあります。

明確な目標がなくても、非常に得るものが多いのがプログラミングです。仕事に関する新しい思考法が身についたり、数学やテクノロジーへの理解を深めることができます。

これだけではなく、プログラミングの習得は、自分やそのまわりすべてに良い影響を与えます。今回はその理由を説明します。

「α+プログラミング」が最強な理由

プログラミングは、自分の仕事や勉強にプラスすることで最強のツールとなります。それは、単に自分でプログラムを作れるという理由ではありません。物事を抽象化できるようになるからです。

なかなか抽象化しようと考えてもできるものではありませんが、「もしもプログラムにするならどうするか?」と考えることで、物事を抽象化することができます。

「社内作業の標準化」を例に考えてみます。承認プロセスのように、工程は共通するけど、処理する対象が毎回異なる作業があるとします。プログラミングでは、重複する処理は「関数」にまとめて再利用できるようにします。この考え方に基づくと、別々に実施されていた工程から共通する部分を見つけて、1つの関数のように集約すれば、標準化できる見通しがつきます。

このように、プログラミング的に作業を捉えれば、効率化や合理化ができるだけでなく、仕事そのものを見直す機会にもなります。

プログラムを作るということは物事を抽象化することです。だから、万事にプログラミングをプラスすることで、そのものに対する理解がより深くなります。抽象化こそが人間の英知だとすれば、それを可能にするプログラミングは最強のツールなのです。

特に数学の勉強とは相性抜群

今まで理解できなかった数学が「プログラミングしながら学ぶ」と腑に落ちることがよくあります。このように、プログラミングという視点を加えることが理解を深めてくれます。その中でも数学はプログラミングとの相性抜群です。以下のページでは高校数学をPythonで学ぶ方法を紹介しています。

Pythonで高校数学をプログラミングしながら学ぶ(ガンマソフトブログ)

テクノロジーに対する自己効力感が上がる

今後のビジネスは、AIやブロックチェーンのようにテクノロジー先導型が主流になると考えられています。しかし、一般的なビジネスパーソンは、どうしても難解そうなイメージだけで、苦手意識を持ってしまうことが少なくありません。

実際には、怖れずに自分で試してみれば概要は意外とすぐに理解できます。それなのに、試してみないのは非常にもったいないです。自分のスキルを発展させる好機を逃してしまいます。

自分から試してみようという気持ちになるには、自分ならできるという自己効力感が必要です。プログラミングには、そう思わせる効力があります。アメリカで行われた実験では、プログラミングを経験したグループの方が、「自分はロボットを制御できる」と思えることが分かっています。つまり、プログラミングを学習することで、「テクノロジーを自分は使いこなせる」という信念や自信をつけることが可能なのです!

参考図書

竹内龍人:進化する勉強法、pp.70−73、誠文堂新光社、2019.2.

プログラミングの効用は誰もが享受できる

以前と違い、プログラミングは誰でも始められるようになりました。

最近、小学生向けのプログラミングスクールでは、Scratch と呼ばれるMITが開発したプログラミング学習環境がよく利用されています。コードを書かないで、グラフィカルにブロックを組み合わせて直感的にプログラミングできます。教育用ではありますが、かなり手の込んだプログラムも作れます。Scratchはブラウザーで動くので、サイトにアクセスするだけで誰でも簡単に始められます。

汎用的なプログラミング言語にも、Pythonのように覚えやすい言語が登場しています。C言語などの難解な言語が主流であった頃と比べると、かなり敷居が低くなりました。そして、ほとんどのプログラミング言語は、公式サイトから無料でダウンロードして使用できます。

これだけ環境が整っているのに、始めない理由はありません。すぐ始めることをおすすめします。まずは覚えやすいPythonで始めてみてください。下記のページでは、普通のビジネスパーソンのための「Pythonとの付き合い方」を説明しています。是非参考にして下さい。

こんなこと考えたことないでしょうか。 何か毎日同じようなデスクワークしている。飽きる。別ファイルからエクセルに毎回コピペして、グラフを更新して、ファイル名を変えて、同じ人にメールしている。これっ…