本書「PythonでExcel、メール、Webを自動化する本(発売日:2020年09月19日)」は、プログラミング未経験のビジネスパーソンが仕事でPythonを使えるようになることを目指した本です。そのため、仕事に直結できる内容になっているのが特徴です。

近年、デスクワークの自動化が急務であることは多くの方が実感しています。自動化を実現するには、RPAのようなツールの導入のほかに、自分で自動化できるスキルを身に付ける方法があります。

会社がRPAを導入してくれれば、既存のソフトで行っている作業は自動化できます。一方、Pythonのようなプログラミングで自動化できるスキルを身に付ければ、汎用的に幅広く活かすことができます。本書はまさにそのスキルを習得するための本です。

本書では「Excel」「メール」「Web」の実践的なプログラムを作成しますが、それぞれでどのようなことが学べるのかを筆者自らがまとめてみました(本書は弊社の中嶋が執筆しました)。ぜひご購入される際の参考にしてください。

本記事の目次

サンプルファイルをダウンロードできます

本書に掲載しているプログラムやExcelブックは、以下のサポートページからダウンロードできます。
https://www.sbcr.jp/support/4815602868/

スクレイピングの例題に用いているサイトのリニューアルに伴う変更点について(2021.06.24)

本書の第8章では、例題として財務省のホームページをスクレイピングしていますが、2021年5月31日にリニューアルされたことに伴い、CSSセレクタを一部変更する必要があります。詳しくは以下のサポートページをご覧ください。
https://www.sbcr.jp/support/4815607411/

Excel編:Excelファイルの本当の運用方法がわかる

第5章ではひな型、顧客マスタ、売上データの3つのExcelファイルから顧客ごとの請求書を自動作成するプログラムを作ります(Excelファイルの操作にはopenpyxlを使用しています)。

このように、Excelファイルは役割を分けて作成しておき、Pythonで連携させてまとめます。こうすることで、それぞれのExcelファイルは独立して管理できます。これこそが、理想的なExcelファイルの運用方法であり、本書ではそのためのプログラミング方法を徹底して学びます。

invoice flow

一緒にExcelの理解を深めることもできる

Excelの作業をPythonでプログラミングするには、Excelの機能をプログラムに書けるぐらいに深く理解する必要があります。そのために、本書ではPythonでプログラミングする前に、Excelの機能について考察するようにしています。

特に第4章では、仕事に欠かせない「VLOOKUP」「COUNTIFS」「SUMIFS」の3つのExcel関数が処理をしている内容を紐解いて、それからPythonで同じ処理をプログラミングしてみます。本書では、Excelと対比しながらPythonでプログラミングすることで、相乗的に理解を深めます。

大事なのは検索処理をプログラミングできること

多くの業務処理は、必要なデータを「検索」することから始まります。検索処理は「ループ」と「分岐」というプログラムの基本処理の組み合わせで実装できます。そのために、第1章ではこの組み合わせで検索ができることをゴールにPythonの基本を学習します。

メール編:添付ファイルをPythonで選んで送信できる

請求書のPDFのように相手によって違う添付ファイルを、毎回手作業で送信するのはかなり面倒です。自動化できれば省力化できるしミスも防げます。

そこで、第7章では、第5章で作成した請求書のPDFファイルを添付して、それぞれの顧客に一斉にメール送信するプログラムを作ります。添付するPDFファイルは、フォルダーの中からPythonで選び出してメールに追加します。

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メール送信は、メールサーバーとの通信、本文作成、添付ファイルの追加など工程が多く、入門者には一般に少しハードルが高いプログラミングですが、1つひとつの工程を順序立てて丁寧に説明しているので、とても分かりやすくなっています。

Web編:WebブラウザをRPAのように動かせる

第8章では、Webページから情報を取得する(いわゆるWebスクレイピング)のに、Seleniumというツールを用いてWebブラウザを操作します。Seleniumを使えば、RPAのようにWebブラウザを自動操作することがPythonのプログラムから可能になります。

Seleniumが操作できるのはWebブラウザだけですが、今回のようにExcelファイルの読み書きと合わせた処理であれば、RPAと比べて遜色ない自動化が可能です。

最近はRPAが自動化の候補になることが多いですが、Webブラウザ限定の操作であれば、本書の方法で同様の動作をコストをかけずに試すことができます。

Seleniumnの使い方を詳しく説明しています

Seleniumは非常に強力なツールです。アイデア次第で様々な場面に利用できます。そのため、本書では読者の方が自分で活用するときに役立つように、Seleniumの使い方を極力詳しく説明しています。また、Webページの読み取りに不可欠なHTMLやCSSセレクタの基本知識についてもやさしく説明しているので、Webのプログラミングが初めてでも本書で学ぶことができます。

最後に

本書では、覚えることは厳選して少なくしていますが、本当に必要なことは自分で使いこなせるようにとにかく丁寧に説明しています。

なぜならば、プログラミングは自分で書き始めないと絶対に習得できないからです。必要最小限の知識でもちゃんと理解して使えればプログラムは作れます。ぜひ本書でプログラミングの第一歩を踏み出し、これからのデジタル社会に対応した新しい仕事術を身に付けてください。