Pythonをインストールするには、Python公式サイトのダウンロードページ で以下のボタンをクリックしてインストーラーをダウンロードします。このボタンは、WindowsパソコンでアクセスするとWindows用、MacだとMac用が表示されます。
Windowsパソコンでアクセスして操作すれば、Windows用のインストーラーがダウンロードされますが、パソコンが64ビットであっても32ビット版がダウンロードされます(2019.11.21確認)。
Python3.9.0 から 64ビット版 がデフォルトになりました
2020/10/05にリリースされたPython3.9.0ではWindows用で初めて64ビット版のインストーラーがデフォルトになりました。そのため、現在はボタンをクリックすると64ビット版がダウンロードされます。
ここで「64ビットのWindowsパソコンに32ビットのPythonをインストールして大丈夫なのか」という疑問が生じると思いますが、大丈夫です。Pythonは32ビット版と64ビット版の両方が公開されており、64ビットのWindowsパソコンでは両方とも使用できます。
では、Windows向けPythonの64ビット版はどんな時に利用するのでしょうか。またどうやってインストールするのでしょうか。そのような点についていくつかまとめて以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
64ビット版が必要になるのはどのような時か
オフィスワークのような普段使いでは32ビット版で十分ですが、以下のように64ビット版が必要になる場合もあります。
- 科学技術計算のように大量のメモリをプログラムで使用する場合(主に2GBを超える場合)
- 64ビットシステムが要求されているライブラリを使用する場合(例えば、TensorFlow )
※ 32ビットのパソコンには、64ビット版のPythonはインストールできないので気をつけてください。
64ビット版のインストーラーはどこにあるのか
以下のWindows版のPythonをまとめているページを開きます。
https://www.python.org/downloads/windows/
このページで以下の「Latest Python 3 Release – Python 〜」のリンクをクリックします。
すると最新のPython3のバージョンに関するページが表示されるので、一番下にある以下の「Files」までスクロールします。そこにある表から以下の「Windows x86-64 executable installer」をクリックしてダウンロードします。
実行形式のインストーラーは、Python3.8.0の場合は以下のようなファイル名になります。
- 32ビット版:
python-3.8.0.exe
- 64ビット版:
python-3.8.0-amd64.exe
python-3.8.0-amd64.exe
を実行すると以下のように64ビット版のインストーラーが起動します。
32ビット版と64ビット版は共存できるのか
64ビットのWindowsパソコンに、32ビット版と64ビット版のPythonを両方インストールすることが可能です。両方インストールすれば、以下のようにスタートメニューには両方表示されます。
32ビット版と64ビット版の両方のIDLEを以下のように起動できます。
platform.architecture()
を実行すると、32ビット版と64ビット版のどちらが起動しているかをコードで確認できます。
64ビット版を優先して起動する
両方インストールされている場合は、コマンドプロンプトでpy
と入力すれば、Pythonランチャーは64ビット版を優先して起動します。32ビット版を起動させるにはpy -3.8-32
のようにバージョンの末尾に-32
を付加する必要があります。
外部ライブラリのインストールでpip
を用いる時には気をつけてください。32ビット版と64ビットでは別の場所にインストールされます。
タスクマネージャーで確認する方法
32ビット版と64ビット版のどちらが起動しているかは、以下のようにタスクマネージャーの「詳細タブ ▶ プラットホーム」でも確認できます。
なお、上図ではPythonランチャーはどちらも32ビットが起動しています。このように32ビットのランチャーでも、両方がインストールされていれば、64ビットのPythonを優先して起動します。
タスクマネージャーでプラットホームを表示する方法
通常デフォルトの状態では、プラットホームのカラムは非表示になっています。「カラムのヘッダーで右クリック ▶ 列の選択」で以下のようなダイアログが表示されるので、「プラットホーム」をチェックします。
なお、タスクマネージャーは Ctrl+Shift+ESC で表示できます。
そもそも何で64ビットWindowsで32ビット版が使えるのか
64ビットのWindowsには、WOW64(Windows 32-bit On Windows 64-bit)と呼ばれる32ビットのアプリケーションを動作させるためのエミュレータが実装されています。これにより、32ビット版のPythonでもそのまま64ビットのWindowsで動作します。