最近書店でみかけたNFTデジタル特典がついた書籍が気になったので、購入して試してみました。書籍にあるコードだけで取得できるので、気軽にNFTを体験するのに非常によい方法です。
2021年にBeepleのNFTアートが75億円で落札されたのが話題になり、NFTは一躍注目されるようになりました。しかし、取引は基本的に暗号資産(仮想通貨)で行われるため、まだまだ広く一般に普及するにはハードルが高いのが現状です。
一方、今回ご紹介する書籍特典のNFTならば、書籍に記載されたコードだけで取得できます。暗号資産は不要です。今回は、以下の「日経おとなのOFF 絶対見逃せない美術展2023 NFT特装版」を実際に購入して、NFTのデジタル版画を取得してみましたが、必要なのは袋とじにあるギフトコードだけです。簡単に取得できました。
NFTはWeb3のインフラとしてなくてはならない存在です。とは言っても新しい仕組みなので、試すにはなかなか勇気がいります。でも、今回の書籍の特典であれば、NFTがどんなものなのか気軽にのぞいてみることができますので、ぜひ参考にしていただけたらうれしいです。
本記事の目次
特典のNFTはどこから取得するのか?
今回の書籍特典のNFTは以下の「FanTop」というNFTマーケットプレイスで扱われており、ここから取得できます。
FanTopは電子書籍取次大手の「株式会社メディアドゥ」が運営しており、今回の書籍特典のNFTは書店の活性化を目的とした「株式会社トーハン」との業務提携の一環として展開 されています。
NFTマーケットプレイスとは
NFTの取引は「NFTマーケットプレイス」と呼ばれるプラットフォームで行われています。NFTマーケットプレイスでは、NFTを発行して販売することやNFTの購入・再販ができます。
現在では、国内外で多くのNFTマーケットプレイスが運営されています。以下にいくつか挙げてみましたが、世界最大手なのが「OpenSea」です。国内でも、LINE、楽天、SBI、GMOといった有名企業がどんどん参入しています。
ギフトコードは書籍のどこにあるのか?
1つのギフトコードを使えるのは1回だけなので、書籍を購入するまでは見れないようになっています。当方で調べた範囲では、雑誌は「袋とじ」、単行本は挟み込んである「カード」にギフトコードが記載されていました。なお、カードを挟み込んでいる書籍の場合は、ビニール包装(シュリンク)されていました。
ギフトコードとは
ギフトコードとは特典のNFTを取得するためのコードであり、英数字の組み合わせた16桁の文字の並びになっています。このギフトコードは、唯一無二であり同じ値が存在しません。同じ書籍の購入者どうしでも、重複することはなく、完全に一意(ユニーク)なコードです。
書籍特典のNFTの取得方法
では、書籍のギフトコードを用いて、実際に特典のNFTを取得してみましょう。
手順は以下の3ステップになります。
これらの一連の操作は、FanTopのサイトで行いますので、まずFanTopのトップページ にアクセスして、以下のようにメニューから「ギフトコードをお持ちの方」を選択します。
以下のような画面が表示されるので「初めての方はこちら」をクリックします。
STEP1:ウォレットの設定
次に以下のような画面になるので「保管場所の作成を承諾する」をクリックします。
以下のようなダイアログが表示されるので、自分のメールアドレスを入力して「登録」をクリックします。
すると登録したメールアドレスに6桁のパスコースが送付されるので、次に表示されたダイアログに入力します。確認用のダイアログが順次表示されるので、画面の指示にしたがって操作を続けます。
以下のような画面が表示されたら、STEP1は完了です。
ウォレットとは
NFTでは「秘密鍵」とよばれる文字列で所有者であることを証明します。秘密鍵をなくしてしまうとNFTを失うことになります。そのため、秘密鍵は別の「ウォレット」とよばれるところに保管しておいて、そこから出し入れするようにします。
ウォレットは様々なものがありますが、FanTopでは「Bloctoウォレット」を利用しています。Bloctoウォレットはユーザーがメールでログインできるので、シンプルで扱いやすいのが特徴です。
STEP2:マーケットプレイスへのユーザー登録
次に以下の画面が表示されるので、FanTopマーケットプレイスへのユーザー登録を行います。
「ユーザー名」と「生年月日」を入力して、「利用規約/プライバシーポリシーへの同意」のチェックをしたら、「上記の内容で登録する」をクリックします。
以下のように登録が完了したら「新規登録を完了する」をクリックします。
すると以下の画面が表示されるので、「FanTopギフトコード入力ページに戻る」をクリックします。
STEP3:ギフトコードを入力してNFTを取得
次に以下の画面が表示されるので、ギフトコードを入力して「取得する」をクリックします。
しばらく待つと以下のような画面になるので、「開封する」をクリックします。
今回の特典は、3枚の葛飾北斎デジタル版画がシリーズになっているので、以下の画面で1つずつ開封します。
これで特典のNFTを取得できました。
取得したNFTを見てみよう
ログインした状態で、以下のようにFanTopのサイトのメニューから「アカウント」を選択します。
以下のような自分のアカウントの画面が表示されるので、「トークン」タブをクリックします。取得したNFTは、このトークンのタブに表示されます。
今回は、「冨嶽三十六景 山下白雨」をクリックしてみます。
以下の画面が表示され、NFTの内容を確認できます。画像の右下にあるアイコンをクリックすると大きな画像でデジタル版画を見ることができます。
ここで「トークン」とは、このデジタル版画に対して発行されたNFT自体のことです。発行したときには、ランダムに#1から始まる「シリアル番号」が付与されます。
トークン(Token)には様々な意味がありますが、NFTとは「非代替性トークン(Non-Fungible Token)」のことなので、NFTマーケットプレイスではNFTのことを単にトークンとよぶことが多いです。
また、上の画面には「取引履歴」も表示されています。各取引の右端にある緑のアイコンをクリックすると「トランザクション」を確認できます。NFTはブロックチェーン上で構築されていますが、どのように取引データがブロックチェーンに書き込まれたかはトランザクションで確認することができます。
自分のトークンは、画面の下にあるように、「ギフト送信」と「出品する」のボタンをクリックして、他のユーザーに送信したり、出品することもできます。